2011年6月23日木曜日

シリーズ第1弾 一挙3冊発売です

 シリーズ記念すべき第一弾は、以下の3冊。

 内田樹『最終講義――生き延びるための六講』
 釈徹宗『キッパリ生きる!仏教生活──すこやかであるための仏教メソッド』
 小川仁志『日本を再生!ご近所の公共哲学──自治会から地球の裏側の問題まで』



 内田樹先生の『最終講義』は、先生初の講演録。タイトルにある、神戸女学院大学で行なわれた「最終講義」を筆頭に、京都大学、大谷大学、日本ユダヤ学会などさまざまな場所で行なわれた、計6本の講演の内容をまとめたものです。
 話題は、人文科学に明日はあるか、右肩下がり時代の日本の進むべき道、沖縄基地問題と北方領土問題の知られざる関係……など縦横無尽。近年における内田先生のお考えが幅広く網羅されていて、「ウチダ思想」の入門編としてもおすすめの一冊。アーチストのベスト盤をライブバージョンでお届け、といった趣です。
 ちなみに神戸女学院で行なわれた最終講義については、当時からブログ、ツイッターでさまざまな形でレポートされていまして、代表的なところでは 「さとなおさん」が、詳細なレポートを書かれていて、おすすめです。

 釈徹宗先生の『キッパリ生きる!仏教生活』は、さまざまな仏典に書かれている「心身を調える技法」を、現代人にも応用してみよう、という主旨の本。WHO(世界保健機構)が現在取り組んでいる“人間の幸せ”についての四つの要件というものがありまして、それが「フィジカル(身体性)」「メンタル(精神性)」「ソーシャル(社会性)」「スピリチュアル(霊性)」なのですが、その四つの要件ごとに、仏教の教えを日常的に実践できるメソッドとしてお伝えしていきます。
 フィジカルの項は、呼吸する、歩く、発声する、など比較的取り組みやすいですが、メンタル、ソーシャル、スピリチュアルと進むにつれ難易度(?)が上がり、悶絶かも……。「自分の枠組み」がゆさぶられる本です。

 私がひそかに「ご近所のマイケル・サンデル」と呼ぶ小川仁志先生は、商社、フリーター、市役所勤務を経た異色の哲学者で、徳山の商店街で「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している方です。その小川先生の『日本を再生!ご近所の公共哲学』は、「ご近所の底力+哲学」でコミュニティの再生・活性化をはかろうという実践的な哲学入門書。
 先生は、哲学全般にわたってのわかりやすい入門書を何冊も書かれていますが、今回は先生のご専門である「公共哲学」について、直球でとりくんでいただきました。ちょうどマイケル・サンデルの『公共哲学』(ちくま学芸文庫)も発売になりましたし、この機会に合わせてお読みいただけるとよいのではないかと思います。

 というわけで、思想・哲学・宗教を扱う3冊でスタートを切った「生きる技術!叢書」、次はまた違う方向からのタイトルを準備しています。これからどんな本が出てきますものやら、今後の展開にご期待ください。