2012年4月20日金曜日

小林弘人×津田大介トークショー、盛況でした!


4月13日(金)の夜、代官山蔦屋書店さんで、『メディア化する企業はなぜ強いのか?』の小林弘人さんと、新刊『動員の革命』を上梓されたばかりの津田大介さんのトークショー「フリー、シェア、パブリックの先に見えるもの」が開催されました。告知を開始してから当日を迎えるまで実質3日という「超リアルタイム進行イベント」であったにもかかわらず、ツイッター、フェイスブック、ブログなどの情報を通じて多くのお客様が集まり、会場は満員御礼、立ち見も出る盛況ぶりでした。さすが「動員の革命」の時代。



実際のトークは、フリー、シェア、パブリックの概念をふまえ、ソーシャル時代におけるメディアが抱えるさまざまな課題についての考察を中心に展開。

津田さんがナビゲーターを務めるNHK NEWS WEB24の裏話(台本がカッチリ作られていて、台本にない話題を振るとアナウンサーが固まったり。ニコ生などのネットメディアとはかなり違う)から、TwitterやFacebookが今後どう発展していくか(Facebookはなぜあんなに使いづらいか?)、マイクロペイメントをベースにした寄付のシステムやクラウドファンディングサービスが持つ大きな可能性(これは全面的に同意!)、組織がソーシャルメディアを使う際の内部でのコンプライアンス不足の問題(だからあちこちで炎上が起きる)、雑誌メディアに未来はあるか?(紙メディアとしての雑誌の終焉)、広告はソーシャル時代においてどう変わっていくか(広告はハイブリッド型になっていく)、メディアを作る際にそのクオリティのカギを握るのはユーザーインターフェースの善し悪しであること、ソーシャルメディアのマネタイズの条件……など、多彩な話題が俎上にあげられました。

フリー、シェア、パブリックなど、アメリカでは定着・浸透している概念が、日本に輸入されるとショボいものになってしまうのはなぜなのか? という津田さんの問いに、日本のネットのインフラの貧しさもあり、ユーザーがネットを通じて得た成功体験がまだ少ない。だからリアリティが湧かないのでは? との小林さんの答えには、頷けるものがありました。その点については、津田さんが指摘するように「TwitterやFacebookを通じてシェアハウスのハウスメイトを募集したり、リアリティのある若者たちが出てきているので、そこに期待」ということになるでしょう。

質疑応答の時間で小林さんが答えた、ソーシャル時代のメディアをビジネスとして成功させるには、マネタイズのビジネスモデルを構築することが必要であり、それはそれぞれが独自のアイデアをもとに新しく作るしかないが、良質のコンテンツを継続的に発信し、多くの人のアクセスを集めることがその大前提である、というお話には、メディアにかかわる者としては、渇を入れられた気分です。

かように盛りだくさんだったこの日のトークショー、ご来場いただきましたみなさま、そして代官山蔦屋書店のスタッフのみなさま、ありがとうございました。今後もこのようなイベントを、折にふれ開催していきたいと思いますので、今後もご期待ください。(A藤)