2013年1月26日土曜日

2月の新刊は若林理砂さん『からだの教養12ヵ月』


 生きる技術!のA藤です。ひさびさのブログ更新となりましたが、今回は2月1日発売の新刊、若林理砂さんの『からだの教養12ヵ月──動き美人になる食とからだのレシピ』のご紹介です。




無駄な力を使っていない人の姿は美しい。
「あの人のからだの動き、しぐさはキレイだね」
そんなふうに言われる"動き美人"になるための
12ヵ月のメソッド。季節ごとの食養生レシピも。

 最近、医者にいくほどじゃないんだけど、疲れがとれなかったり、だるかったり、体のあちこちに痛みがあったり、なんだか調子がよくないんだよな……そんな声をよく聞きます。一部ではそれを「プチ不調」などと言ったりするようですが、実際こうした「プチ不調」の症状は、病気というわけではないので、病院で診てもらっても「いやー、検査してみましたが、とくに悪いところは見当たりませんね」くらいの診断しか得られなかったりします。

 それもまた道理で、世の中の病院は、「悪くなったところに対して処置をする」というのが基本なので、「いまはそれほどでもないけれども、ほおっておくと悪化する」状態の人に対しては、明確な治療をほどこすことはできないのです。これが言うところの「西洋医学の限界」ということでしょう。

 でも、こうした「プチ不調」に対しても有効な対応策を与えてくれるものがあります。それが東洋医学の養生法です。それは言ってみれば「治療よりも大切なのが養生」、すなわち「本当に悪化して体を壊してしまう前に、身体のメンテナンスを常に行って健康を保ちましょう」という医学です。

 『からだの教養12ヵ月』の著者、若林理砂さんは、この東洋医学を専門とする鍼灸師です。若林さんが目黒の住宅街にひっそりと開いている「アシル治療室」は、音楽業界では超有名なSさんとかMさんとかも体のメンテナンスに訪れるという(都合により実名はひかえさせていただきます)、知る人ぞしる超人気の治療室で、新規の申し込みは2年先まで埋まっているそうです。

 若林さんが提唱する健康法、ひとつの柱は東洋医学をベースとした食養生で、これは折々の季節に、体が欲するものをそのつどそのつど食べていきましょうというシンプルなもの。でもこの当たり前の食事を続けることが、健康を保つ一番の近道だとのことです。

 そしてもうひとつの柱が、古武術。実は若林さんは、古武術で有名な甲野善紀先生に15年来師事している、武術の心得アリの人なのです。甲野先生直伝の古武術をベースに、自らの稽古の積み重ねからあみだした独自の身体技法は、体のどの部分にも無理がかからずラクに動け、健康であるばかりか見た目にも美しい「からだ美人」をつくるメソッドです。

 本書は、その若林さんの養生法のすべてをあますところなく解説した、画期的な内容です。目次は以下のとおり。

■からだ稽古編■
1ヵ月目 正しい姿勢って何なんだろう?
2ヵ月目 無駄な力って、どれ?
3ヵ月目 ゆらぐ体を感じよう
4ヵ月目 「軸」を知る
5ヵ月目 無理なく座る
6ヵ月目 楽に立つ
7ヵ月目 上半身を固めず動かす(1)
8ヵ月目 上半身を固めず動かす(2)
9ヵ月目 歩く
10ヵ月目 なんであちこち痛くなるのか
11ヵ月目 呼吸と声
12ヵ月目 動くための解剖学

■食養生編■
食こそ養生のかなめ
東洋医学の身体観・自然観
梅雨
長雨
付録 常に食べる食材の性質

 立つ、歩く、呼吸するなど身体の基本動作トレーニングと、季節ごとの食養生の2本立ての養生法を根気よく続けていけば、いつのまにか自分のからだが変わっていることに気づく、食とからだのレシピ。本文中には、是澤ゆうこさんのかわいいイラストで、体のトレーニング法や食事のレシピが全編にわたって解説され、見た目にもたのしいつくりになっています。

 装丁はいつものようにアジール。今回は、ちょっとレトロな雰囲気もまといつつ、いまの時代の空気を感じさせるキュートなデザイン。この装丁に魅せられる方も多いのではないかと思います。。

 とくに女性の方にはおすすめの一冊です。ぜひ書店で手にとってみてください。

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 最後にご報告です。2011年6月より刊行開始いたしました「生きる技術!叢書」、不肖A藤が立ち上げからずっと担当してまいりましたが、春より現編集部からの異動を命じられました。A藤が担当する「生きる技術!叢書」は、この『からだの教養12ヵ月』が最後となります。1年半の短い期間でしたが、おかげさまで書店さま、読者のみなさまからのご声援にめぐまれ、ここまでやってこれました。みなさま方に感謝する次第です。

 今後「生きる技術!叢書」のラインナップについては、A山や、新たに編集部に加わったI東らが、随時新作のアナウンスをしていく予定ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

 A藤は、来春からまた新しいプロジェクトを始動させる予定ですが、そのプロジェクトにご関心をお持ちの方がいらっしゃいましたら、A藤のツイッター @andorakia をフォローしていただけると、情報をお届けできると思います。

 では、引き続き「生きる技術!叢書」をご贔屓に!