2013年5月2日木曜日

作家・加藤則芳さんのこと

『ロングトレイルという冒険』著者近影より

去る4月下旬、作家・バックパッカー、加藤則芳さんが永眠されました。小社では生きる技術!叢書で『ロングトレイルという冒険――歩く旅こそぼくの人生』をご執筆いただきました。

私が加藤さんと出会ったのは、長いご活動のなかではずっと最近のことで、難病指定を受けているALS(筋萎縮性即索硬化症)への罹患がわかる少し前でした。
温かいお人柄と静謐な水のように穏やかな語り口で、それまでのたくさんのご経験とそれに基づき敷設に尽力された信越トレイルのこと、これからの構想などお話いただいたことを覚えています。

闘病の間、常にご家族の負担のことを考えられ、「自分が後の世代に伝えられることをできる限りのこしていく」という思いから、自由がきかなくなってゆく身体で精いっぱいの活動をされていました。
「僕は格好つけたがりだから……」と照れながらも、紡ぐ言葉、人柄、すべてがほんとうに格好いい方でした。ピークを目指すだけではない山や森の歩き方、付き合い方――自然を愛する加藤さんの思いが次の世代へ受け継がれていくことを切に願います。

国内外での長年にわたる自然保護活動、多くの著作、日本では浸透していなかったロングトレイル普及と功績に敬意を込め、謹んでご冥福をお祈りします。

                                               編集局 秋山絵美

#加藤則芳さんのご活動については、以下のブログをご参照くださいますようお願いいたします。
『加藤則芳 ロングトレイルを行く -- 管理者:家人』→